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1.個人制作について

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___最初に稲さんの制作について教えてください。

3回生の後期からずっとタペストリーを作り続けています。

3回生では動物とか好きなものとの関わりで作っていたのですが、4回生前期の時は最初にまた動物から入って、構内にいるカラス達の様子とか、カラスがすごくいる時って人がいない時やから人間とカラスの数の関係が逆転してるの面白いなって思ったりもしてて、その中で大学が移転してこの土地からは無くなる事とか、そういうので”風景”というものに興味が湧きました。

自分で描いた下絵に対して解釈を与えていきながら、ここでまた織って、その絵をどう見せていくか考えたりしながら作ってます。

___絵じゃなくて、どうして”織”で表現しているんですか?

なぜ絵を織にするとかは、まだ自分でもあまり意味を追えてなくて、でも今は糸として色を拾って一個一個描いていくよりも、またここで糸として色とかを拾って自分の考えとかを再構築して積み上げていくってのが楽しいかなっていうのが大きいです。

今は糸を触ってる時間が、一番楽しいとか、心地よい時間やなって思えます。

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2.卒業制作について

__卒業制作ではどういうものを作る予定ですか?

日常の中にあった影とかっていうのが、面白いなって、その中でも物体に影が落ちて、それに沿

う時の歪みやったりとか、そのもの、影の持ち主を表してるんやけど、ちょっと違ったりとか、変化してる様子を面白いなって思ってて、自分でそういう風に変化してる様子を集めたものを絵にして、織ろうと思っています

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___この制作はいつ頃から始めました?

9月にテーマを決めて一個ずつ自分の気になったものを描いて、小さい作品とかも織ったりして試したり...実際に10月に下絵を始めて、書き終わったのは11月くらいでした。

___下絵の段階でとても色に気を使って描かれてますね。

 

生の色とか絵の具の原色とかがあんまり好きじゃないので、絶対混ぜて作ってます。絵の具と染料、水の量などで出てくる色が違うんですが、好きな色に染まったら楽しいし、その色を組み合わせて行ったらまた全然違う感じの色にもなっていくのも楽しいです。

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3.染める色

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__ここにあるのは全部自分で染めた糸なんですか?

そうです。今回はあまりばちばちした明るいトーンで制作してないので、渋い感じになる糸を選びました。

__染めるのにはどれくらい時間がかかるんですか?

何色かを一気に染めているんですが、濃い色が染まりにくい糸なので、3〜4日かけて染めてはつけ置きをして・・・っていうのを続けたから5日くらいかけました。全部で16色くらい作ったかな。

__染めや織のこの工程で一番好きな箇所はどこですか?

全部好きですね。

色とかを考えてることがすごく楽しくて、絵を描くときも自分の色を作ります。

__染物って本人の色というか、稲さんの色が出るんですね

 

染料自体は同じお店で買ったりはするんですけど、染める人によって作る色とか組み合わせとか違うと変わってきますね。私もよく「稲っぽい」って言われます(笑)

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4.工芸基礎について

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__京都芸大の工芸科に入る前から染織専攻に決めていましたか?

工芸基礎の授業(*必修実技科目)を取るときに、もしかしたら他の漆工や陶磁器も好きになるかもって思って受けましたが、結構ストレートに染織専攻を選びました。

 

__振り返ってみて基礎はあってよかったかなと思いますか?

 

はい。3専攻全部体験できるのが京芸の特色だと思うので、先生方もいっぱい私たちを見て教え

てくれるし、半年間の間だやけどしっかり工芸の中の3つの分野に向き合える時間があったうえ

で染織専攻に進みたいと思えました。

総合基礎(*必修実技科目)でも工芸科だけでは絶対知らなかったこととか、人とかに出会えて面白かったなってほんまに思ってます。他専攻にも交友が広がって行ったし、月並みなんですがそれが嬉しかったなって思ってて・・・総合基礎がなかったら結構寂しい4年間過ごしてた気がします。

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5.染織専攻とは

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__京都芸大の染織専攻はどういうところだと思いますか?

改めて思うのは、織のこと広範囲に教えてくれる先生ここにしかいないかなって思います。

先生自身も様々なことに興味を持っているので、やりたいと思ったことは一緒に考えてくれるし、色んなことをさせてくれます。

__先生方と学生との距離が近くに感じられますね。学生にはどういうことが求められていますか?

 

工芸って実用と美術の間にいて、実用とか民芸の部分とかで、自分の表現の場じゃなかったり...

自分にとっての工芸って何ですか?みたいなのは先生たちもって欲しいかなって思ってたりするかも。

私が作ってるタペストリーだって、私は自分の作品として自己表現に作ってるけど、本当は西洋の石造りの建物の中で、暖をとるために少しでも柔らかいもの入れて、向こうはウールとか羊とかが日本より育てやすい気候で、そういう子たちから毛をもらって暖をとる文化があったりして、日本は輸入した文化で、建物も木造だし、実用性がいらなかったのもあるけど、そういう部分も考えます。

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6.制作のお供など

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__今いるこの部屋はどういった部屋なんですか?

ここともう一個向こうの部屋が「織室」で、私たち織ゼミのメンバーの部屋です。ここは結構大型の織り機が揃ってる部屋なので広幅の作品を作る人が作業してます。

隣の部屋には着物を織る和機(わばた)もあります。

__美術館から学内に展示場所が移ってみてどうですか?

 

サイズの自由がきくようになったのと、展示の仕方も制限がなくてやりやすくなった、部屋の明るさとかの問題とかで人気、不人気はあるんですが、何でこんな汚いとこでやらなあかんねんとかじゃなくて、ここでやれることを!っていう感じで染織専攻は楽しんでやってるんじゃないかなって感じます。

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__最後に、制作の「おとも」ってありますか?

ウォークマンで音楽を聴きながら制作しています。

あとはモクローのぬいぐるみ。

__本日はお話ありがとうございました。

​ありがとうございました!

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